頭部と顔

頭蓋 (CRANIUM)

短頭 Brachycephaly#

定義
頭長幅指数 (cephalic index)が 81%以上である場合 (客観的) (図 5)。 または前後径が幅に比較して短い場合 (主観的)。
コメント
cephalic index とは頭長に対する頭幅の百分率である。正常値は 76~80.9%とされる。頭長は眉間と正中線上で後頭部最も突出している部分の距離である。棹状計 (ノギス)により測定する。頭幅は頭頂骨の外側で最も突出した部分の距離である。桿状計により測定する。上記の正常値は白人を対象として得られた値であり,他の人種における有用性は限定的である。また近年,うつぶせ寝が推奨されなくなったことから,頭蓋の形態に変化が生じている可能性があり,現行の標準値の妥当性も不明である。新たな標準値の検討が必要である。短頭は,後頭部の平坦化 (Flat occiput)とは異なるが,両者は併存することがあり,別々に記載されるべきである。
図 5 短 頭頭蓋骨の前後径が短縮し,頭部の後面の曲率半径が低下している。

長頭 Dolichocephaly#

定義
頭長幅指数 76%以下 (客観的) (図 6)。明らかに頭の前後径が横径に比較して増加している状態 (主観的)。
コメント
(短頭のコメントと同様。以下,相違点)長頭 (Dolichocephaly)は著明な後頭部 (Prominent occiput)とは区別されるべきである。長頭と著明な後頭部は併存することもあり,別々に記載されるべきである。舟状頭とは,長頭の亜型であり,前頭部分と後頭部分が尖っている状態を指す (小舟の形)。
参照
図 6 長 頭頭蓋骨は前後方向に延長している。右側に舟状頭を示す。舟状頭は長頭の亜型であって,前方方向に船のように尖っているのが特徴である。横径に比較して,前後径が大きい状況

巨頭症 Macrocephaly#

定義
後頭前頭を結ぶ周囲径が年齢や性別を合わせた標準値の 97%より大きい (客観的) (図 7)。明らかに頭が大きい (主観的)。
コメント
頭囲は眉間 (鼻根部より上部で前頭骨上,最も前に突出している部分)から後頭部の後頭骨上,最も後ろに突出している部分を巻き尺で測定する。標準値の表としてはパーセンタイル値にもとづいて編纂されたもの[Hall ら,2007]や標準偏差値に基づいて編纂されたものがある。いずれの基準を使用するにしても,標準に比較してどの程度,頭囲が大きいかということを数値化して表現することが重要である。巨頭症というのは原則として絶対的な基準にもとづいて定義される数値である。頭囲が身長におけるパーセンタイル値をこえるとき「相対的大頭症」という用語が用いられることがある。たとえば,頭囲が 75%タイルであるのに,身長が 5%タイルであるとき。
同義語
頭囲の拡大 (Head circumference, enlarged;OFC,large)
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Macrocranium
参照
図 7 巨頭症頭蓋の大きさが拡大している。全体的な大きさの拡大はわかりにくいこともあるが本患児においては顔面が相対的に小さいため頭部が大きいことがわかる。

小頭症 Microcephaly#

定義
後頭前頭を結ぶ周囲径が年齢や性別を合わせた標準値の 3%より小さい (客観的) (図 8)。明らかに頭が大きい (主観的)。
コメント
頭囲は眉間 (鼻根部より上部で前頭骨上,最も前に突出している部分)から後頭部の後頭骨上,最も後ろに突出している部分を巻き尺で測定する。標準値の表としてはパーセンタイル値にもとづいて編纂されたもの[Hall ら,2007]や標準偏差値に基づいて編纂されたものがある。いずれの基準を使用するにしても,標準に比較してどの程度,頭囲が小さいかということを数値化して表現することが重要である。小頭症というのは原則として絶対的な基準に基づいて定義される数値である。頭囲が身長におけるパーセンタイル値をこえるとき「相対的小頭症」という用語が用いられることがある。たとえば,身長が 75%タイルであるとき頭囲が 3%タイルである。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Microcranium
参照
図 8 小頭症頭部の大きさが小さく,また前額の前面の傾斜が大きい。

後頭部扁平 Occiput,flat#

定義
後頭部の曲率半径の減少 (主観的) (図 9)。
コメント
後頭部の曲率半径の増大により頭蓋骨の背面が平坦化した印象を与える。後頭部の曲率半径に関する客観的な指標は存在ぜず,評価は観察者の経験に依存する。
「後頭部扁平」という所見は短頭 (Bra-chycephaly)と併存する場合がある (別々に記載されるべきである)。乳児が仰向けに寝かされていたときに「平坦な後頭部」になりやすい。
図 9 後頭部扁平後頭部の曲率半径の減少により頭蓋骨の背面が平坦化した印象を与える。

後頭部突出 Occiput,Prominent#

定義
後頭部の曲率半径の減少 (主観的) (図 10)。
コメント
後頭部の曲率半径の減少により頭蓋骨の背面が平坦化した印象を与える。後頭部の曲率半径に関する客観的な指標は存在ぜず,評価は観察者の経験に依存する。「後頭部突出」という所見は長頭 (Dolichocephaly)と併存する場合があるが,異なる所見として別々に記載されるべきである。
参照
図 10 後頭部突出頭蓋の後面の曲率半径が減少している。

斜頭 Plagiocephaly#

定義
非対称な頭蓋の形態。多くの場合,片側性の後頭部の平坦化と対側の前頭部の突出により菱形の頭蓋となる (主観的) (図 11)。
コメント
斜頭により後頭骨のみが影響を受ける場合もありうる。
参照
図 11 斜 頭頭蓋の形態が非対称である。片側性の後頭部の平坦化と対側の前頭部の突出により菱形の頭蓋ないし,後頭骨の非対称性が認められる。 (John Graham Jr. 氏のご厚意による。)

クローバー様頭蓋 Skull,Cloverleaf#

定義
正面ないし後方から見たときに,頭蓋が三葉構造に見える状態 (主観的) (図 12)。
同義語
Kleeblattschadel
図 12 クローバー様頭蓋正面ないし後方から見たときに,頭蓋が三葉構造に見える状態。

三角頭 Trigonocephaly#

定義
楔形あるいは三角形の頭蓋。三角形の頂部は前頭の正中部で,三角形の底辺は後頭部である (主観的) (図 13)。
コメント
この形態は観察者が上方より観察したときに明確になる。
図 13 三角頭楔形あるいは三角形の頭蓋。三角形の頂部は前頭の正中部で,三角形の底辺は後頭部である。

塔状頭 Turricephaly#

定義
前後径や横径に比較して高さが高い場合を指す (主観的) (図 14)。
コメント
この所見は「高い前額部 (tall forehead)」という所見とオーバーラップするか,または,「高い前額部」という所見を含むと考えられていた。塔状頭は,頭が高い (主観的)うえに,前後径と横径の両方が減じている (客観的)ときに使われる用語である。頭長は眉間 (鼻根部より上部で前頭骨上,最も前に突出している部分)と正中線上で後頭部最も突出している部分の距離である。桿状計により測定する。頭幅は頭頂骨の外側で最も突出した部分の距離である。桿状計により測定する。上記の正常値は白人を対象として得られた値であり,他の人種における有用性は限定的である。尖状頭 (acrocephaly)という用語は塔状頭 (turricephaly)があり,かつ頭蓋骨の頂部が円錐型になっている場合につかう用語である。
参照
図 14 塔状頭前後径や横径に比較して高さが高い場合を指す。塔状頭 (turricephaly)があり,しかも頭蓋の先端が円錐形に見えるとき,尖頭症 (acrocephaly or oxycephaly)という用語を用いる。

前頭部禿頭 Frontal Balding#

定義
前面正中部および後頭部の毛髪の欠損 (主観的) (図 15)。
図 15 前頭部禿頭前頭部の禿頭前面正中部および後頭部の毛髪の欠損。

上向きの毛髪 Hair,Frontal Upsweep#

定義
前頭部毛髪が上向きないし横向きに生えている状態 (主観的) (図 16)。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Cowlick (状況によっては軽侮的な表現となる)。
図 16 上向きの毛髪前頭部毛髪が上向きないし横向きに生えている。

旋毛の数の異常 Hair Whorl,Abnormal Number#

定義
3 個以上の右回りの旋毛 (客観的)。
コメント
多くの場合,頭皮上,正中部を少し離れたところに 1 か所に 1 個の右向きの旋毛がある。ときに頭頂にある場合がある。人口の 5%に2個の旋毛がある (図 17)。人口の 10%で旋毛の向きが左向きである。
図 17 2個の旋毛

旋毛の位置異常 Hair Whorl,Abnormal Position#

定義
旋毛が,頭頂近傍,傍正中部という正常の位置とは異なる部位からに存在する (客観的) (図 18)。
コメント
旋毛の位置については,後頭・頭頂が中心を外れているなどの表現で記載される。旋毛の位置についても記載される。人口の5%が2つの旋毛をもつ。
図 18 旋毛の位置の異常旋毛は頭頂近傍,傍正中部という正常の位置とは異なる部位から後方かつ下方に変位している。

毛髪線高位 Hairline,High Anterior#

定義
毛髪線と眉間の距離が正常の 2 SD 以上である (客観的) (図 19)。明らかに毛髪線と眉間の距離が長い (主観的)。
コメント
この計測は桿状計 (ノギス)を用いて行われる[Farkas,1981]。 この特徴を有すると前額が高く見える (tall forehead)。側頭部の毛髪の減少を伴うこともある。高い前額は,男性における禿頭と区別が可能な場合がある。毛髪線は筋を含む前額部より高位にあるためである。筋を含む部分は表情の動きにより皺ができるが,頭皮には皺が出ない。また,頭皮の皮膚を前額部の皮膚は質感が異なる点から区別が可能である。
同義語
高い前額 (Forehead,tall)
図 19 前頭毛髪線高位毛髪線が高い場合,「高い前額部」との印象を与える。

低い前頭毛髪線 Hairline,Low Anterior#

定義
毛髪線と眉間の距離が正常の-2 SD 以下である (客観的) (図 20)。明らかに毛髪線と眉間の距離が短い (主観的)。
コメント
この計測は桿状計 (ノギス)を用いて行われる[Farkas,1981]。
この所見は前額部が狭い印象を与える。前額部の多毛と区別されるべきである。後者では,毛髪は側方に生えている。また,この場合に生えている毛髪の質感と密度は頭皮の毛髪とは異なる。
同義語
短い前額 (Forehead,short)
図 20 低い前頭毛髪線前頭毛髪線の位置が低く,前額部が狭い印象を与える。

後頭部毛髪線低位 Hairline,Low Posterior#

定義
後頸部の皮膚が通常よりも下方に伸びている (主観的) (図 21)。
コメント
この所見は小児期後期によく認められる。後頸部の皮膚にたるみのあった小児の頸部が延長するにつれて目立つようになるためである。後頭部毛髪線低位と後頸部の皮膚のたるみは区別して記載されるべきである。
図 21 後頭部毛髪線低位後頸部の皮膚が通常よりも下方に伸びている (とくに側方部)。

疎な頭髪 Scalp Hair,Sparse#

定義
単位面積当たりの毛髪数の減少 (主観的) (図 22)。
コメント
Hypotrichosis という記載法は推奨されない。語義として毛髪の低形成を示すが,実際に低形成であるかどうかは不明だからである。単位面積当たりの毛髪数の正常値は存在しない。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
薄い頭髪 (Scalp hair,thinning;Scalp hair,thin)
参照
図 22 疎な頭髪毛髪の密度が減少し,薄く見える。

いわゆる富士額 Widow's Peak#

定義
前額正中部で左右の弓状の前額毛髪線が交わり,さらに下方へ向かう (主観的) (図 23)。
コメント
毛髪を後ろにたくし上げると,この所見はわかりやすいかもしれない。18 世紀の英国では,寡婦 (widow)は黒い帽子を被ることになっており,帽子には 3 角形が付いており,その頂点は正中線上で下方を向いていた。
図 23 Widow’s peak前額正中部で左右の弓状の前額毛髪線が交わり,さらに下方へ向かう。

顔(FACE)

幅広い顔 Face,Broad#

定義
頬骨弓間距離(顔面上部)と顎角点(ゴニオン,下顎体下縁と下顎枝講演が移行する部位のうち,最も外側の点)の両方が正常集団の 2 SD より大きい(客観的)(図 24)。幅広い顔顔面上部と顔面下部の両方の幅が大きい(主観的)。
コメント
顔の幅の測定には桿状計が用いられる。桿状計の先端は頬骨弓に当てる。顔面下部の測定も桿状計を用いて行われ,桿状計の先端は下顎角の下内側面に当てる[Farkas,1981]。幅広い顔は丸い顔(Round face)とは区別される。
図 24 幅広い顔
顔面上部と顔面下部の両方の幅が大きい。

粗な顔 Face,Coarse#

定義
顔は丸みを帯び,濃い皮膚のために,眉間や鼻,口唇,口,下顎などの構造物がはっきりとしなくなる。皮下組織や骨組織の肥厚を伴うこともある(主観的)(図 25)。
コメント
この用語は印象や形態を想起させるバンドル語である。しかしながら,きわめて有用な用語である。人によっては「粗な顔」という表現を軽侮的と感じる人もいるかもしれない。
同義語
Lineaments,coarse;Features,coarse
参照
図 25 粗な顔
濃い皮膚・皮下組織・骨組織のために,顔面のこまかい構造は輪郭が不明瞭となり,顔は丸みを帯びている。

表情のない顔 Face,Expressionless#

定義
鈍い表情と同義である。ここでは解剖学的な所見というよりは機能的な所見として捉えられている。

平坦な顔 Face,Flat#

復元した項目

定義
側面から見たとき凹凸の欠損(主観的)(図 26)。
コメント
有用なガイドは眉間と下顎の最も前面の部分を結んだ線が人中の最上部と交差する状態を想起することである。もし人中の上部が上記の垂直線よりも前にあれば,顔面は「凸」であるといえるし,この線よりも後ろであれば,顔面は「凹」であるといえる。
図 26 平坦な顔

筋緊張の低下した顔貌 Face,Hypotonic#

備考
この用語は解剖学的というよりは機能的な用語である。この所見は,単一の客観的な所見というよりは,他の複数の所見が重なって得られる結論であるといえる。すなわち,鼻唇溝が浅い,外側の眼窩上縁の皮膚のたるみ,眼瞼下垂,常時の開口位,顔面の表情の低下などによる。

長い顔 Face,Long#

定義
顔面の高さ(長さ)が平均値の 2 SD 以上である(客観的)(図 27)。
コメント
顔の高さの測定は桿状計(ノギス)を用いて行われる。ナジオン(鼻根部の最も深い点)からグナシオン(下顎骨の下端)までを正中線上で測定する[Farkas,1981]。長い顔は狭い顔(Narrow face)とは区別される。
同義語
Face,elongated
図 27 長い顔顔の長さ(高さ)が顔の幅に比較して大きい。実際の計測をしないと,高さが増えているのか,幅が凹んでいるのかは判断が難しい。

細い顔 Face,Narrow#

定義
顔面上部と顔面下部(ゴニオン間の距離)がともに 2 SD 未満(客観的)(図 28)。顔面の上部および下部とも狭い(主観的)。
コメント
桿状計(ノギス)で計測する。先端は頬骨弓を越えて最大長となる部分まで計る。 顔面下部の測定も桿状計を用いて行われ,桿状計の先端は下顎角の下内側面に当てる[Farkas, 1981]。細い顔は長い顔(Long face)とは区別される。
図 28 細い顔実際の計測なしには顔面の高さが高いのか,顔の幅が狭いのかを判断することは難しい。

老人様顔貌 Face,Prematurely Aged#

備考
この用語の使用は避けることとする。というのも,この所見は薄い皮膚,静脈の透見,皮下脂肪の欠如,皺の過剰,色素性の変化などの所見を総合したものだからである。

丸い顔 Face,Round#

定義
正面から見たときに通常より丸みを帯びた顔である状態(主観的)(図 29)。
コメント
幅の広い顔(Broad face)に丸みを帯びた頬がある場合には,丸い顔は長くかつ幅広く見える。
図 29 丸い顔顔が通常より丸い。(客観的)(図 30)。顔面の高さが減った状態(主観的)。

短い顔 Face,Short#

定義
顔の高さが平均の 2 SD 以下である状態
コメント
顔の高さの測定は桿状計(ノギス)を用いて行われる。ナジオン(鼻根部の最も深い点)からグナシオン(下顎骨の下端)までを正中線上で測定する[Farkas,1981]。短い顔は幅広の顔(Wide face)とは区別されるべきである。
図 30 短い顔顔面の高さの減少は顔面の幅との比較によってなされるため,実際の計測をしないと評価が難しい。

小さな顔 Face,Small#

備考
この用語は使用しない。というのは狭い顔(Narrow face)と短い顔(Short face)の両方があるとき,「小さな顔」となるからである。

四角い顔 Face,Square#

定義
正面から見たとき,この輪郭が顔面上部/頭蓋および顔面下部/下顎で広いとき,四角い顔貌に見える(主観的)(図 31)。
コメント
四角い顔のあるときは顔面下部のほうが広いことが多い(ゴニオン間の距離が正常群の 2 SD 以上)。幅広い下顎(Broad jaw)では顔面所下部の横幅が顔面上部の横幅より広い。
図 31 四角い顔四角い顔正面から見たとき,この輪郭が顔面上部/頭蓋および顔面下部/下顎で広いとき,四角い顔貌に見える。

三角形の顔 Face,Triangular#

定義
正面から見たとき,両側頭を底辺とし,狭い下顎を頂点とする顔面が三角形に見える(主観的)(図 32)。
コメント
この特徴は狭い下顎(Narrow jaw)とは区別される。
参照
図 32 三角形の顔正面から見たとき,両側頭を底辺とし,狭い下顎を頂点とする顔面が三角形に見える。

幅広い前額部 Forehead,Broad#

定義
前額すなわち frontotemporales の距離が人口集団の 2 SD をこえる(客観的)(図 33)。前額の幅の増加(主観的)。
コメント
frontotempralis とは,眼窩上縁の側面の陥凹部を指す。本用語と「目立つ前額(promi-nent forehead) →訳注:上下方向の距離を論じている」を混同しないこと。
同義語
Forehead, wide
参照
図 33 幅広い前額部前額部の横径が増加している。

狭い前額部 Forehead, Narrow#

定義
前額部すなわち frontotemorales の距離が人口集団の 2 SD をこえる(客観的)(図 34)。水平方向に狭い前額を指す(主観的)。
コメント
前頭側頭は眼窩上縁の垂直な部分のすぐ外側で少しくぼんでいる。ノギスの先端をこの部分の最も凹んだ部分に当てて測定を行う[Farkas, 1981]。
同義語
Bitemporal narrowing, Intertemporal narrowing
図 34 狭い前額部前額部の横径が減少している。

目立つ前額部 Forehead,Prominent#

定義
前頭骨の突出により,前額部全体が目立つ状態を指す(主観的)(図 35)。
コメント
本所見は Frontal bossingと同義ではない(後述)。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Forehead, bulging
参照
図 35 目立つ前額部前額部の横径が減少し,側頭部分でも幅が狭くなっている。

Forehead, Sloping#

定義
前額の前面の傾斜が一般集団の 2 SD よりも大きい(客観的)(図 36)。側面からの観察により明らかに前額が極端に傾斜している(主観的)。
コメント
計測のためには分度器が必要。頭部をフランクフルトの水平面に保った状態で,前頭正中部に分度器を置き,眉間と毛髪線を結ぶ線と垂線との角度を測定する[Farkas,1981]。
参照
図 36 Forehead, Sloping前額の前面が後方に向けて過剰に傾斜している状態。

額部の垂直な皺 Forehead Creases,Vertical#

定義
前額正中部の軟部組織の垂直の皺。しばしば毛髪線から眉毛まで伸びており,表情に依存して出現する場合がある(主観的)(図 37)。
図 37 額部の垂直な皺前額正中部の軟部組織に垂直な皺が存在する。これらの皺はしばしば毛髪線から眼窩上縁まで達する。

前額部の突出 Frontal,Bossing#

定義
前頭骨側方の両側性の前方への突出。正中部の突出はあまり目立たない(主観的)(図 38)。
コメント
この所見は目立つ前額(Prominent forehead)とは区別して使用される。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Forehead, bulging
図 38 前額部の突出前頭骨側方の両側性の前方への突出。正中部の突出はあまり目立たない。

眉間の陥凹 Glabella,Depressed#

定義
両側の眼窩上縁の間の前額正中部の後方への変位(主観的)(図 39)。
コメント
眉間は両側の眼窩上縁の間の正中線上の領域で,鼻根部の上方である。ここでいう「陥凹した」というのは能動的に陥凹したという意味ではなく,「陥凹して見える」状態を指す。
図 39 眉間の陥凹両側の眼窩上縁の間の前額正中部の後方への陥凹。

目立つ眉間 Glabella,Prominent#

定義
眉間の前方への変位(主観的)(図 40)。
コメント
眉間とは両側の眼窩上縁の間の正中線上の領域で,鼻根部の上方の領域のことである。
参照
図 40 目立つ眉間眉間(両側の眼窩上縁の間の正中線上の領域で,鼻根部の上方の領域)が目立つことに着目されたい。

前額正中部の陥凹 Metopic Depression#

定義
前額正中部の線状の垂直な溝を指す。毛髪線から眉間まで伸びる(主観的)(図 41)。
コメント
皮下の骨には異常はない(meto-pism)。
図 41 前頭正中部の陥凹(前額正中部の陥凹)前額正中部の線状の垂直な溝を指す。毛髪線から眉間まで伸びる。

目立つ前頭隆起 Metopic Ridge,Prominent#

定義
前額部正中部の垂直な骨性の隆起(主観的)(図 42)。
コメント
骨性の隆起は毛髪線から眉間まで達することもあるが,部分的なこともある。
同義語
目立つ前頭縫合(Metopic suture, prominent)
参照
図 42 目立つ前頭隆起前額部正中部の垂直な骨性の隆起に注目されたい。

目立つ眼窩上縁 Supraorbital ridges,Prominent#

定義
前頭骨の眼窩上縁部分が前方または側方に突出し,目立つ状態(主観的)(図 43)。
コメント
前頭骨の眼窩上縁部分が肥厚している必要はない。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
眼窩上縁の過形成(Supraorbital ridges,hyperplas-tic;Brows,prominent)
図 43 目立つ眼窩上縁前頭骨の眼窩上縁部分が前方および側方の突出。

眼窩上縁の低形成 supraorbital ridges,Under-developed#

定義
前頭骨の眼窩上縁が平坦な状態(主観的)(図 44)。
同義語
平坦な眼窩上縁(Supraorbital ridges, flattened)
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Supraorbital ridges,hypoplastic;Brows,underde-veloped
図 44 眼窩上縁の低形成上顎骨と顔面中部(MAXILLA AND MIDFACE)・平坦な頬骨部(Cheekbone,flat):Cheekbone, underdevelopedを参照
前頭骨の眼窩上縁が通常より目立たない。

目立つ頬骨部 Cheekbone Prominence#

定義
側頭骨の頬骨突起(眼窩の内側および外側下部を形成)が大きい(主観的)(図 45)。
同義語
Zygomatic prominence
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Zygomatic hyperplasia
図 45 目立つ頬骨部側頭骨頬骨突起の表面にあたる胸骨部が通常より目立つ。

頬骨部の低形成 Cheekbone Underdevelopment#

定義
側頭骨頬骨突起に相当する顔面頬骨部が小さい(主観的)(図 46)。
同義語
平坦な頬骨部(Cheekbone,flat;Zygo-matic underdevelopment)
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
頬骨低形成(Zygomatic hypoplasia)

目立つ頬部 Cheeks,Full#

定義
頬骨弓と下顎骨の間の軟部組織が目立ち,丸い印象を与える(主観的)(図 47)。
図 46 頬骨部の低形成側頭骨頬骨突起に相当する顔面頬骨部が小さい。
図 47 目立つ頬部頬骨弓と下顎骨の間の軟部組織が目立ち,丸い印象に着目のこと。

落ちくぼんだ頬部 Cheeks,Sunken#

定義
頬骨弓と下顎骨の間の軟部組織が少なく見える(主観的)(図 48)。
コメント
この所見は歯を欠く患者によくみられる。
図 48 落ちくぼんだ頬部頬骨弓と下顎骨の間の軟部組織の張りやふくらみの減少に着目のこと。

頬部の平坦化 Malar Flattening#

定義
上顎の頬骨突起部の低形成。側面からの観察や触診によってわかりやすい(主観的)(図 49)。
コメント
上顎骨の頬骨突起は上顎骨の最も内側で上方に位置し,鼻背部の外側部分と連続する。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
頬部低形成(Malar hypoplasia)(表面からの診察によっては低形成か萎縮かを区別することはできない)
参照
図 49 頬部の平坦化鼻背部の外側で内眼角から胸骨部の内側にかけての低形成を認める。

目立つ頬部 Malar Prominence#

定義
上顎骨の狭骨突起と眼窩下縁の領域が目立つ。側面および正面からの観察によって評価しやすい(主観的)(図 50)。
コメント
頬骨前突起(Malar process)は上顎骨の最も内側で頭側の部分であり,鼻橋部(nasal bridge)の外側縁をなす。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Malar hypertrophy;malar hyperplasia
図 50 目立つ頬部鼻背部の外側で内眼角から頬骨部の内側にかけての目立つ骨組織に着目のこと。

顔面中部突出 Midface Prominence#

定義
眼窩下縁と鼻翼周辺の領域が前方に突出している状態(主観的)(図 51)。
コメント
この用語は上顎骨が大きいことを反映する。上顎骨が上下方向に高い場合と奥行きが深い場合とがある。下顎骨の大きさが正常であれば,下顎後退のようにみえる可能性がある。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Midface hyperplasia;Midface hypertrophy
図 51 顔面中部突出眼窩下縁と鼻翼周辺が目立つ。眼窩下縁と鼻翼周辺の領域が前方に突出し,鼻唇角が増大している。

顔面中部後退 Midface Retrusion#

定義
眼窩下部および鼻翼の領域が後退しているか垂直方向に短縮しているときに起きる(主観的)(図 52)。
コメント
この用語は上顎の高さないし深さが小さいことを示している。下顎の大きさが正常であるときは,顔面中部の低形成は下顎突出の印象を与える。歯牙を欠く患者において顔面中部の後退に見えるときがあるので注意を要する。これは平坦な顔(Flat face)とは異なる。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
midface hypoplasia
図 52 顔面中部後退眼窩下部および鼻翼の領域が小さく,顔面が中央で凹型となっている。このため下顎が突出している印象がある。

目立つ鼻唇溝 Nasolabial Fold,Prominent#

定義
鼻の外側を走る鼻唇溝(鼻根部が顔面の皮膚と合する部分であり,口角より少し外側の部分に達する溝)が目立つ場合である(主観的)(図 53)。
コメント
鼻唇溝は加齢とともに目立つようになるのが通例である。
同義語
Nasolabial crease,prominent
図 53 目立つ鼻唇溝鼻の外側を走る鼻唇溝(鼻根部が顔面の皮膚と合する部分であり,口角より少し外側の部分に達する)が目立つ。

鼻唇溝の低形成 Nasolabial Fold,Underdeveloped#

定義
鼻の外側を走る鼻唇溝が目立たない場合である(主観的)(図 54)。
同義語
Nasolabial crease,underdeveloped
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Nasolabial crease,hypoplastic;Nasolabial fold, hypoplastic
図 54 鼻唇溝の低形成鼻の外側を走る鼻唇溝(鼻根部が顔面の皮膚と合する部分であり,口角より少し外側の部分に達する)が目立たない。

目立つ前上顎部 Premaxillary Prominence#

定義
前上顎部の過形成(主観的)(図 55)。
コメント
前上顎部が目立つ結果,その上層に存在する鼻・人中などの構造物が目立って見える場合がある。顔面が全体として前方に突出する。もし下顎の大きさが正常であるとき,下顎後退としてとらえられるかもしれない。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Premaxillary hyperplasia
図 55 目立つ前上顎部顔面が全体として突出し,下顎後退の印象を与える。
前上顎部の低形成(Premaxillary Underdevelopment)

前上顎部の低形成 Premaxillary Underdevelopment#

定義
前上顎部の低形成(主観的)(図 56)。
コメント
前上顎部の低形成の結果,その上層に存在する鼻・人中などの構造物が平坦に見える場合がある。顔面の中央部分が陥凹して見える。下顎の大きさが正常である場合には,下顎が突出して見えることがある。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Premaxillary hypoplasia
図 56 前上顎部の低形成顔面の中央部分が陥凹し,鼻唇角も減少して見える。下顎の大きさが正常である場合には,下顎が突出して見えることがある。

下顎(MANDIBLE)

幅の広い下顎 Jaw,Broad#

定義
顎角点間距離(下部顔面の幅)が一般人口の 2 SD をこえる場合(客観的)(図 57)。下部顔面の幅が広い(主観的)。
コメント
下顎の大きさは左右の顎角点の距離により測定される。顎角点とは下顎体下縁と下顎枝後縁が移行する部分のうち,最も外側に突出する点である。顎角点は下方・内側に向かっており,皮膚を徐々に下方かつ内方にずらして触診することで同定することができる[ Farkas,1981]。幅の広い下顎(下部顔面)に幅の広い上部顔面を合併する場合は「四角い顔(Square face)」と表現される。
同義語
幅の広い下顎(Jaw,wide;Mandible, broad;Mandible, wide;Lower face, broad; Lower face,wide)
図 57 幅の広い下顎幅の広い下顎に着目のこと。

狭い下顎 Jaw,Narrow#

定義
顎角点間の距離が-2 SD 以下(客観的)(図 58)。正面から見た場合に下顎が狭い(主観的)。
コメント
左右の顎角点間の距離を測定する。顎角点とは下顎体下縁と下顎枝後縁が移行する部分のうち,最も外側に突出する点である。顎角点は下方・内側に向かっており,皮膚を徐々に下方かつ内方にずらして触診することで同定することができる[Farkas,1981]。
同義語
狭い下顎(Mandible,narrow),狭い顔面下部(Lower face,narrow)・Jaw,small:Micrognathiaを参照
参照
図 58 狭い下顎下顎が狭いことに着目。

下顎裂 Mandible,Cleft#

定義
下顎骨正中部ないしその表面の軟部組織の欠損(客観的)(図 59)。
参照
図 59 下顎裂左図では下顎正中部の完全欠損があり,右図では表層組織の欠損がある。

小顎症 Micrognathia#

定義
正面から見たときに下顎の高さと幅が小さい状態(主観的)(図 60)。
コメント
この用語は下顎の高さと幅の両方が小さいことを指す点から,バンドリング用語であると考えられる。バンドリング用語は避けることが原則であるが,頻用される用語であるので掲載した。
同義語
Micrognathism;Jaw,small・Micrognathism:小顎症(Micrognathia)を参照
参照
図 60 小顎症下顎の高さと幅の減少。

下顎前突 Prognathism#

定義
下顎の歯槽が上顎の歯槽よりも前方に突出した状態。側面から見たときに判断しやすい(主観的)(図 61)。
コメント
観察者は下顎の前方突出と前上顎部の低形成(Underdeveloped premaxilla)ないし,顔面中部の陥凹(Retruded midface)を区別しなければならない。いずれの場合にも ClassⅢの不正咬合を伴うことがある。
同義語
Prognathia
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Habsburg chin;Hapsburg chin;Habsburg jaw; Hapsburg jaw
図 61 下顎前突下顎の前方偏位があり,下顎の歯槽が上顎の歯槽よりも前方に突出している。

下顎後退 Retrognathia#

定義
側面から観察した時に下顎が後方に偏位している(主観的)(図 62)。
コメント
この所見は小顎症(microretrog-nathia)を伴う場合がある。所見としては小顎症と下顎後退の両方を記載すべきである。この所見が下顎と前上顎の相対的な位置関係の異常によりもたらされていることがある。すなわち下顎の大きさは正常だが,不正咬合が目立っていることがある。
同義語
Chin,retruded;Mandible,retruded; Retrognathism・Retrognathism:Retrognathiaを参照
図 62 下顎後退側面から観察したとき,下顎が後方に偏位している。

オトガイ(頤)(CHIN)

幅広いオトガイ Broad chin#

定義
下顎正中部および表面の軟部組織が目立つ(主観的)(図 63)。
コメント
小顎症は下顎の高さと幅の両方が減じているときに使用される用語である。
オトガイの大きさが大きいときは高いオトガイ(Tall chin),幅広のオトガイ(Broad chin)と別々に記載される。
図 63 幅広いオトガイ下顎の中心部と表面の軟部組織が幅広い。

オトガイの陥凹 Chin Dimple#

定義
下顎正中部の軟部組織に陥凹がある場合(主観的)(図 64)。
コメント
陥凹の周囲は円形である。
図 64 オトガイの陥凹下顎正中部の軟部組織の陥凹に着目のこと。

オトガイの水平の皺 Chin,Horizontal Crease#

定義
下口唇の直下に存在する水平の折り目もしくは皺(主観的)(図 65)。
図 65 オトガイ上の水平の皺下口唇紅部の下方,オトガイの脂肪を含む軟部組織の隆起の情報に位置する水平な皺または襞。

H 型の皺 Chin,H-Shaped Crease#

定義
オトガイ上のH型の皺(主観的)。
コメント
H 型の皺は垂直な皺(Vertical crease of the chin)とは区別されなければならない。
同義語
Chin,H-shaped groove
図 66 オトガイ上のH型の皺・Chin,H-shaped groove:H型の皺(Chin,H-shaped crease)を参照(図 66)

尖ったオトガイ Chin,Pointed#

定義
下顎がオトガイに向かい尖っている(主観的)(図 67)。
コメント
下顎枝の角度が鋭角をなしている。
図 67 尖ったオトガイ顔面下部が下方に向かって狭くなり,下顎の両側面が鋭角をなして交差している。

短いオトガイ Chin,Short#

定義
下口唇の下縁からオトガイの下端までの距離が短い(主観的)(図 68)。
コメント
オトガイが短くかつ幅が狭いときに,小顎症(micrognathia)と称する。
図 68 短いオトガイ下口唇の唇紅下縁からオトガイの先端までの垂直距離が短い。

高いオトガイ Chin,Tall#

定義
下口唇の下縁からオトガイの先端までの距離が長い(主観的)(図 69)。
同義語
Chin,long
図 69 高いオトガイ下口唇の唇紅下縁からオトガイの先端までの垂直距離が長い。

オトガイの垂直の皺 Chin,Vertical Crease#

定義
オトガイの軟部組織に垂直の皺がある(主観的)(図 70)。
コメント
垂直の皺は, H型の皺(H-shaped crease of the chin)とは区別されなければならない。
過去に使われたが言い換えが望ましい用語
Chin,cleft
図 70 オトガイの垂直の皺頸部(首)(NECK)・Bull-neck:Neck,broadを参照

太い頸 Neck,Broad#

定義
正面ないし後方から見たときに頸の幅が広い(主観的)(図 71)。
コメント
頸の周囲径を実測すると頸の幅についての客観的な評価が得られる。頸の周囲径は甲状軟骨が最も目立つ部位において,頭部を直立され,前を向かせた状態で水平面に沿って測定する。鑑別診断として翼状頸(Neck webbing)を参照のこと。
図 71 太い頸頸が幅広いことに注目。

長い頸 Neck,Long#

定義
頸と肩の接合部から後頭骨の下縁までの距離が長い状態(主観的)(図 72)。
コメント
客観的な指標は存在しない。
図 72 長い頸頸と肩の接合部から後頭骨の下縁までの距離が長い。

短い頸 Neck,Short#

定義
頸と肩の接合部から後頭骨の下縁までの距離が短い(主観的)(図 73)。
コメント
客観的な指標は存在しない。
参照
図 73 短い頸頸と肩の接合部から後頭骨の下縁までの距離が短い。

翼状頸 Neck Webbing#

定義
頸の後方外側に斜めに存在する襞状の皮膚。通常,前方もしくは後方から見て頭蓋骨の乳様突起部から肩峰に広がる(主観的)(図 74)。
コメント
この所見は後方毛髪線の低位(Low posterior hairline)を伴うことが多いが,分けて規定されるべきである。
同義語
Pterygium colli
参照
図 74 翼状頸頸の後方外側に斜めに存在する襞状の皮膚に着目されたい。

後頸部皮膚のたるみ Nuchal Skin,Redundant#

定義
主に水平方向に走る後頸部皮膚のたるみ
コメント
年齢があがり,頸部が垂直方向に伸びるに連れ,後頸部の皮膚のたるみは目立たなくなる。頸部は太く見えたり,翼状として見えるようになる。もし皮膚の皺が垂直方向だったり,斜めである場合には翼状頸(Neck webbing)という用語が用いられる。
参照
図 75 後頸部皮膚のたるみ(主観的)(図 75)。

本アトラスは,American Journal of Medical Genetics 2009年第1号「Elements of Morphology: Standard Terminology」の日本語訳です。 翻訳内容は雑誌「小児内科」42巻8号(東京医学社)に発表されたもので, 東京医学社のご快諾のもと掲載しています。